伝統料理酒黒酒(灰持酒)が郷土料理さつま揚げに使われる意義の科学的検証 伝統料理酒黒酒(灰持酒)が郷土料理さつま揚げに使われる意義の科学的検証

鹿児島の灰持酒「黒酒」

灰持酒の製法原型は平安時代

以来料理酒として使用され、
鹿児島の郷土料理さつま揚げ製造にも使用

  • アルコール成分13.5~14.5%
  • 糖度約25度。オリゴ糖やマルトースなど多種混在、まろやかな甘味
  • 香気に富む

料理酒としてお酒と味醂の機能

豊富な天然アミノ酸(旨み)本みりんの約2倍、化学調味料で添加した旨みではなく、お米由来の18種類の天然のアミノ酸がバランス良く含まれております。

アミノ酸度(ml) 糖度 アルコール濃度
黒酒 4.4 25.4 13.5〜14.5
他社製品 0.8 42.3 11.5〜12.5
本みりん 1.8 43 13.5〜14.5

※自社調べ

塩・醤油のみのシンプルな味付けだけで和洋中何でも美味しく調理出来ます。(炒める・煮る・焼く・揚げる・蒸す)

豊富な天然アミノ酸の力で料理が冷えても旨みを保ちます。
(お惣菜やお弁当にお勧め)

料理の下処理として
素材のグレードアップ

活きた酵素の力で素材の旨みを引き出す力(塩麹と同じ機能性)料理だけでなく、素材の下処理にも使える。

生の肉や魚にスプレーでシュっとひとかけで熟成を促進。
タンパク質をアミノ酸に分解することで素材そのものの旨みを引き出します。 

さつま揚げをはじめとする
練り製品

練り製品の製法原型は平安時代

  • 魚肉タンパク質分子の
    構造変化を利用した独特の食感

    品質評価
    ポイント
    弾力あるしなやかな食感
    (ゲル形成)
    良い食感を得るためのポイント
    新鮮な魚肉あるいは冷凍すり身を原料とする
    塩を加えて混ぜる(塩摺り)
    適した加熱を行う

    タンパク質のスクラップ&ビルドにより
    練り製品の弾力のある食感が得られる

  • 練り製品の詳細

黒酒添加の実験方式

  • 薩摩揚げ練り製品
  • 薩摩揚げ・かまぼこ比較

品質向上効果

  • テクスチャー改善
    テクスチャー改善イメージ

    黒酒添加によって
    弾力性が増す傾向が認められた

  • 揚げ色改善
    揚げ色改善イメージ

    黒酒の含有糖により
    メイラード反応が促進した

  • 舌触り改善
    舌触り改善イメージ

    黒酒添加(右)は断面が滑らかで
    艶があった

  • 好ましい香気の付加
    好ましい香気の付加イメージ

    長期熟成酒に含まれる良い香りと
    共通の成分

  • 総合的に高い官能評価
    総合的に高い官能評価イメージ
  • 黒酒を添加した薩摩揚げは、弾力性が増すテクスチャー改善に加え、揚げ色改善、舌触り改善、そして好ましい香気の付加等、多面的な品質向上効果が認められた。その結果は官能評価にも反映され、多角的かつ総合的に美味しいとの評価結果が得られた

鹿児島の伝統的料理酒黒酒が
鹿児島郷土料理さつま揚げに
使われ続ける理由

  • 黒酒は坐り工程を含まない「さつま揚げ」のゲル形成を促進し、食感改善効果を発揮することが検証された。
  • 黒酒添加により、食感改善に加え、 揚げ色の改善、舌触りの良さ、好ましい香気の付加など、多角的な品質向上が認められた。
  • R3年度 日本水産学会春季大会 (R3年3月27日 発表)
    第68回 日本食品科学工学会(R3年8月27日発表予定)
黒酒イラスト

共同研究にいたる経緯

伝統料理酒 黒酒 が郷土料理さつま揚げに使われ 続ける意義の科学的検証は「鹿児島大学水産学部食品生命科学実習工場を活用した県産食材マッチングアアセスメント実証研究」の一環として行われました。

鹿児島大学水産学部では県産食材を組み合わせ(マッチング)、品質を客観的かつ科学的に評価(アセスメント)し品質のシナジー効果を発揮する県産品をフォーカスして、「かごしま」ブランドの強化に貢献することを目指し、鹿児島県内企業や学校との共同研究を広く募集しております。鹿児島大学水産学部との共同研究にご関心のある方はお問合せください。

研究風景イメージ

鹿児島大学水産学部食品生命科学
実習工場を活用した
県産食材マッチングアセスメント実証研究

県産食材を組み合わせ(マッチング)、品質を客観的かつ科学的に評価(アセスメント)し、品質のシナジー効果を発揮する県産品をフォーカスして、「かごしま」ブランドの強化に貢献します。

研究風景イメージ2

鹿児島大学水産学部
食品生命科学実習工場

食品生命科学実習工場(以下、実習工場)は、水産学部の教育および研究の実施を目的として設置された施設です。
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に準じた安全管理下での水産食品製造学を学ぶための環境を整備し、水産加工食品製造に必要な機器を設置しています。

実習工場イメージ