INTERVIEW

黒酒愛好家

vol.12

原口 正博 さん

元氣屋はらぐち

鹿児島県

仲良し夫婦の絆。手作りの美味しさと、思いやり、温かさ

 お二人の仲睦まじさをそのまま表しているような、にっこりと微笑むご夫婦の木製看板が素敵な印象です。おにぎりとおかずの持ち帰り専門店として、約25年前より営業する同店。“山小屋のような店”がコンセプトという店の前には、お庭が美しく手入れされ、みずみずしい草花が優しく微笑みます。手作りの家庭の美味しさ、そこにはご夫婦の愛情と温かい思いやりがありました。

–これまでの料理酒、みりんを黒酒に。卵焼きでも効果を実感

 45年前より、それまで使っていた料理酒、みりんなどを黒酒に替えて使っています。卵焼きはふっくらとなって、肉はやわらかく、旨味が引き出され、使い始めてすぐにその効果を実感しましたね。スプレーボトルに入れて、素材に振りかけて一晩おいたり、計量カップで注いで漬け込んだりしています。いつもと同じ調理でも、黒酒を使うことで料理がランクアップする、というのか、普通の肉や魚でも、ぐっと上等な味わいになるような実感があります。

–さつま町のおにぎり、おかずの持ち帰り専門店。日々、真心を込めて

 手作りのおにぎり、おかずの持ち帰り専門店になります。おにぎりは8種類、おかずはだいたい25種類。どれも私たち夫婦で創作、考案したメニューです。油は米油を使っていて、サラダ油よりもコストはかかりますが、さらりとした口当たり、健康的な味わいを提供したいと思っています。ポテトサラダなどに使っているのは自家製のマヨネーズです。人気メニューはコロッケと唐揚げで、コロッケは長島町のじゃがいもを使い、ほくほくとした美味しさにファンも多いです。

–創業26年を迎えて。飲食を志し、一から始めた店づくり

 駄菓子屋のように、好きな料理を好きな分だけ、自由に選べます。おかずはすべて量り売りです。山小屋の雰囲気をイメージした店作りで、15年前に前店よりこの地へ移店しました。創業は平成8年。令和4年で26年目になります。もともと、文具事務機の会社で営業職に就いていましたが、飲食店への思いが募り、退職して独立しました。しかし、当初は〝卵焼きも作れなかった〟くらいの初歩の初歩といった状況。勉強を重ね、また育児をしながら、今日まで取り組んできました。

–黒酒の魅力をもっと。自然由来、発酵調味料の効果をお客さんにも

 黒酒との出会いは、東酒造常務さんとの出会いがきっかけです。黒酒を紹介していただき、試したところ、その効果に驚いて、これまでの調味料を黒酒に替えて使用するようになりました。今では、お客さんにも黒酒の魅力を知ってもらいたい気持ちで、東酒造と鹿児島大学による黒酒の成分の共同研究という新聞記事も店内の壁に貼ってお知らせしています。自然由来の発酵調味料というのも安心で、どんな料理にも使いやすいと思います。

–仲良し夫婦の絆。手作りの美味しさと、思いやり、温かさ

 地域に根ざし、さつま町のみなさんに「『元氣』に来て元気になってもらいたい」という思いで日々営業しています。かつて体の小さかった私のために、おふくろが毎日作ってくれた手料理のように、温かい美味しさをみなさんに提供していきたい。その上でも、共に働く夫婦の思いやりは大切なものだと思っています。二人で仲良く、協力しあって、店を営んでいきたい。10坪のプレハブから始めた前店は水害を受けるなどの苦労もありましたが、どんなときも夫婦二人で力を合わせて頑張ってきました。

 

PROFILE

原口正博/元氣屋はらぐち

文具事務機の営業職を経て、飲食店を志し独立。平成8年におかずとおにぎりを専門にした当店を開業。平成19年、前店より現在の店へ移店。手作りで家庭的な美味しさに、さつま町内外よりファンが訪れる。

 

 

 

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