INTERVIEW

黒酒愛好家

vol.06

宇都タカシさん

ドーン・ワークス株式会社
常務取締役

鹿児島県

人気の理由は?「正直、まだよく分かりません」

紀ノ国屋やクイーンズ伊勢丹などの高級スーパー約30店舗で販売され、ここ10年は20個入が年間30,000パック売れるというひぃ坊家の餃子。1日に作る個数は約15000個。関東では知る人ぞ知る人気餃子です。「別に特別なことは何もしていません」。そう話すのは同店の常務取締役、宇都タカシさん。社長でお父様の宇都博典さんとゼロからひぃ坊家(ヒーボーゲー)を立ち上げ、二人三脚で店の歩みを前へ進めてきました。

–人気の理由は?「正直、まだよく分かりません」

同店の餃子が「どうしてこれほど人気なのですか」と尋ねると「正直、まだよく分かりません」という答えが。「普通のことを普通にしているだけ。地元の食材を使って、餃子にしているだけです」「ただ、水にはこだわっています。川辺は日本百名水にも選ばれたことのある湧き水の地。町内に約12の源泉があって、全てを餃子に使い比べ、一番合うと思った湧水を使っています。食材はすべて鹿児島県産です」製造する餃子は黒豚餃子、黒豚しそ餃子、黒豚水餃子の3種。そのうちの1つに東酒造の黒酒が使われていました。水餃子です。

–「別に特別なことはしません。自然に任せるだけです」」

新商品として水餃子を開発していた時のこと。味のヒントを探しながら地元の商工会で開催された食のフォーラムへ参加したという宇都さん。そこで、講師の上薗芙美子さんに薦められたのが「黒酒だった」と話します。「なんと言うか。使うと肉の質感が本当に変わります。それは指先で感じます。発酵の効果だと思いますが、黒酒を入れる、入れないとでは餡の状態は全然違います」「そして、食材の旨味が引き出される。よくテレビで料理のシェフが『私は何もしていません。食材に任せているだけです』と言ったりするのを耳にしますが、本当、その通りだと思います。食材に任せて、別に特別なことはしません。自然に任せるだけです」

–人気餃子の真実。「初め、本当に売れなかった」

「創業の頃はほんと大変でした」と宇都さん。現在、1日に15000個作る餃子は、当時、1ヶ月に400個という数しか作らなかったそう。理由は、ずばり売れなったから。「道の駅で販売していましたが、全く売れませんでした。その頃は資金がなく、経営は常にギリギリ。本当にギリギリで、食材は近くのおじいちゃん、おばあちゃんの庭で作っているキャベツやニラをもらったりしたこともありました。それも、自分で鎌で収穫させてもらって」転機はある東京での催事での出店販売のときに訪れます。

–「鹿児島に面白い餃子がある」

その日、“たまたま出来ていた”という店先の行列。それをある食品のバイヤーが注目します。「なんだ、この行列は」。川辺の名水、鹿児島県産の素材という特長を持ったひぃ坊家の餃子に目が留まります。「鹿児島に面白い餃子がある」。そしてその転機は、東京、紀ノ国屋での提携販売という形に。その後、1店舗のみだった販売店の数は徐々に広がり、全く売れなかったという餃子は今や紀ノ国屋など30店以上で販売される人気餃子に。

–「結局、何もしないのが一番いいと思う」

味が綺麗と言われるという同店の餃子。宇都さんは頻繁に「特別なことは何もしていない」という言葉を用います。「いろいろとあります。でも、結局何もしないのが一番いいと思う。食材が良ければそれでいい。単価は上がるかもしれない。でも、その餃子は11個が研ぎ澄まされている」餃子に向かう姿勢は創業時から何も変わっていないという宇都さん。音楽を愛すること。どんな状況に立たされてもユーモアを大切にすること。宇都さんの姿勢には多様な感性が重奏的に漂っています。「最後に何かありますか」。こちらの問いに「細野晴臣さんの音楽みたいな餃子が作りたい」と宇都さんは答えてくれました。

PROFILE

宇都タカシ/ひぃ坊家 ドーン・ワークス株式会社 常務取締役

社長宇都博典さんの創業する飲食店事業に携わり、2003年より餃子店「ひぃ坊家(ヒーボーゲー)」に従事。川辺の湧水を皮に使用するなど、さまざまアイデアを提案する。工房長として主に品質管理を務め、人気の「普通の餃子」を作り続けている。

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