INTERVIEW

黒酒愛好家

vol.16

大山宏記 さん

餃子のあかり
代表

鹿児島県

鹿児島の食にこだわる。笑顔を灯す、餃子のあかり

鹿児島中央駅西口から徒歩約5分の踏切そばに、「餃子のあかり」はあります。運営するのは、他に居酒屋3店舗を営む株式会社株式会社FOR S.。創業以来、鹿児島の食の魅力を発信してきました。同社に、大きな打撃を与えたコロナ禍。経営の窮状をなんとか打開しようと編みだしたのが、新業態の餃子です。「コロナ禍で暗くなった街に、あかりを灯し続けたい」。思いの詰まった餃子に、たっぷりの鹿児島の食材と、調味料の黒酒が生きています。

–経営理念は、「FOR SMILE 関わる全ての人の笑顔のために FOR SATSUMA 鹿児島の食発展のために貢献する企業となろう。」

コロナ禍の最中、2021年に餃子のあかりはオープンしました。運営会社の「株式会社FOR S.」は、スマイルと薩摩の頭文字”S”をとって2014年に立ち上げた会社です。「関わるすべての人の笑顔のために」「鹿児島の食発展のために貢献する」という思いで、10年以上にわたり居酒屋業態を運営しています。事業を始める前は、電機メーカーのエンジニアをしていました。10年間県外で勤務したときに、鹿児島の食の美味しさに改めて感動して、その魅力を県内外に発信していこうという思いで起業しました。最初のお店は炉端焼きの店。私がサラリーマンの頃、シンプルに焼いた魚や貝が好きだったので、鹿児島の食材をシンプルに味わってもらえる「自分の好きなお店」を作りたかった。地元が東市来町江口漁港の近くで、サラリーマン時代に母がトロサバの開きという地元名物を送ってくれたこともありますが、そういう地元の食材をシンプルに焼いて楽しむお店です。

–鹿児島の食材、鹿児島の調味料を使った新・餃子

コロナ禍はとっても大きな打撃でした。まん延防止重点措置(まんぼう)では、居酒屋なのにお酒が出せないという無力の34日間などもあり、売り上げはコロナ前比9割減にまで下がりました。それでも「嘆いていてもダメだ、なんとか新しい業態を展開しなくては」という思いで、始めた新業態が餃子です。FOR S.の強みである鹿児島の食材、調味料を使った餃子を作ることができれば、無限の可能性があるのではと考えました。2022年1月26 日。お店のオープン日はコロナ第6波のど真ん中でした。居酒屋や街全体がコロナ禍で暗くなっていました。そんな空気を「餃子で街や飲食店、人々の心にあかりを灯したい」という思いで、店名を「餃子のあかり」に。コンセプトは餃子の物販と食堂のハイブリット業態。餃子テイクアウトの窓口を作り、家での食事ニーズに応えるお店としてオープンしました。オープン2日目でまん防になって、ビールが出せなくなってしまったものの、テイクアウトの餃子や弁当の物販に当時は救われました。イートインスペースは、コロナが明けたら餃子居酒屋として楽しんでもらうことを想定して作りました。

–おかずにも、つまみにも。小ぶりで薄皮の人気餃子

株式会社FOR S.は、居酒屋業態を主軸とする中で、鹿児島ならではの食材を探し、生産者や地域の物産館を訪問して、食材をひとつずつ集めてきました。「鹿児島の食材×鹿児島の調味料」がコンセプトの、3号店「えご家」では、南さつま市坊津で海水を釜焚きして作られる、手作り塩『坊津の華』や、鹿児島市西田で営む吉永醸造店とオリジナル醤油を作っています。餃子のあかりの餃子も、当社ならではの「鹿児島の食の強み」を活かした、黒豚、野菜、調味料などの鹿児島の食をたっぷりと包みました。餃子は毎日店内で手作り。しょうが、にんにくは手刻みです。コロナ禍でオープンしましたので、おかずにも、酒のつまみにもパクパクいけるように、大きすぎず、小ぶりで薄皮のサイズ感にもこだわりました。

–いかに自然に、旨みをだすか。そこに黒酒

餃子餡は、やはり鹿児島の黒豚を。「では調味料は?」と考えたときに、鹿児島の調味料、黒酒を知り使用させていただいている経緯です。普通はうま味調味料が餃子にはけっこう入っていて。それがみんな好きだったりするんですけど、うちは居酒屋自体が極力使わないようにしていて。コロナ禍の中でも、野菜はできる限り有機野菜を使おうとやってきたので、餃子自体も自然なうま味を追求したいという思いがありました。そんな時に偶然「黒酒」の存在を知り、私たちの試作の餃子に黒酒を入れると「明らかにうまい」。素材本来のうま味を引き出し、余計な調味料は出来るだけ使わない、その思いを実現するために黒酒が必須でした。

–新名物薩摩おでん。鰹節・黒酒の鹿児島の味

コロナ禍が明けると、イートインも多くのお客様で賑やかになりました。やっぱり、みんな餃子が好きなんだなと思いますね。食事にも、飲みにも、つまみにも。餃子は強い。コロナが明けてもテイクアウトのお客様がいらっしゃいますので、餃子は魅力的なメニューだと感じます。会社が10周年を迎えた節目に「また新たな10年を作る」という思いで、創業のお店をフルリニュアルし、「薩摩おでんと炉端焼 つむぎ」として再スタートさせました。新店舗のおでんにも黒酒が入っています。枕崎の鰹節、羅臼昆布、そして黒酒。それを『薩摩おでん』という新たな鹿児島の名物として発信しています。一般的なおでんとはちょっと違う、鹿児島らしい風味、美味しさをぜひ食べていただきたいです。

PROFILE

大山宏記 /株式会社FOR S. 代表取締役

日置市市来町出身。10年間、エンジニアとして県外で勤務。「鹿児島の食を発信するお店を作りたい」という思いで、株式会社FOR S.を起業。「薩摩おでんと炉端焼 つむぎ」、「薩摩酒場 あいがて家」、「さつま居酒屋 えご家」、「餃子のあかり」を経営。

株式会社FOR S.のHPはこちら→

 

 

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